海苔のこと
江戸の食文化を、
海苔を通して伝える
江戸の食事といえば寿司や蕎麦。
それらに欠かせない香りが海苔です。
九代山本嘉兵衛は、
有明産の最高品質の海苔に感銘をうけ、
紙の製造を行っていた創業の精神に立ち返り、
海苔を山本山の一つの柱に据えました。
いまや山本山の海苔は日本だけでなく、
海外の日本食のスタンダードになっています。
海苔の作り方
成長した糸状体貝殻
一、
[3~8月]
糸状体の培養管理
カキ殻やホタテ貝殻にフリー糸状体や果胞子を植付け、培養を開始します。春から夏にかけて成長し殻胞子を作ります。秋になると殻胞子が成熟し放出されます。
支柱式養殖
二、
[9月]
漁場の準備
養殖方式には、主に内湾や沿岸部で行う支柱式と沖合で行う浮流式のふたつがあります。支柱式漁場では、支柱の設置等、浮流式では養殖施設の準備を行います。
海上採苗
三、
(海上採苗)[9月]
採苗の準備
糸状体から放出された殻胞子をのり網に付着させる作業を採苗と言います。
| 海上採苗|
のり網と糸状体が生長した貝殻を海上の施設に設置し、採苗する方法です。気象海況の影響を受けやすいため、現在は少なくなってきています。有明海の採苗は、海上採苗がほとんどです。殻胞子の付着が確認できたら、貝殻を取り外しそのまま育苗に入ります。
陸上採苗
三、
(陸上採苗)[9月]
採苗の準備
糸状体から放出された殻胞子をのり網に付着させる作業を採苗と言います。
| 陸上採苗|
陸上に水槽を設置しその中に糸状体が生長した貝殻を入れ、水車にのり網を巻いて行う方法です。殻胞子の付着数を調整しながら、計画的に採苗できます。現在はこの採苗方法が主流になってきています。殻胞子付着後、のり網を冷蔵庫で保存し海況が整えば海に張り出します。
支柱漁場での干出風景
四、
[10月]
育苗
種の付いたのり網を漁場に張り込み育苗を行います。健全なのり芽を育苗するために、干出を行い、雑藻の付着を防ぎ、病害の無い芽を育て、二次芽による増芽も促します。
潜り船式
五、
[11~3月]
生産期
育苗が終わった網は、そのまま養殖を行う網(秋芽網)と二期作を行うために冷凍保存する網(冷凍網)に分けられます。1 ヶ月程度で摘採できる大きさまで成長し、12 月以降は冷凍網を漁場へ張り出して、冷凍網の生産が行われます。
海苔を味わい尽くす
海苔の七ヶ条
一、あらゆる食を
体験することは
粋なり
二、海苔とは
食事に香ばしさを
足す名脇役なり
三、三時のおやつを
海苔にすべし
四、パリっと一噛みし
一息つくべし
五、艶ある深い黒緑色の
海苔を探すべし
六、火で炙り、
ごはんに散らすべし、
即ち通な食べ方なり
七、同じ店を極め
こだわりの中の
微差を感じるべし